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下水道は、土木、建築、機械、電気、生物、化学、経営、法律……等々、実に多岐にわたる技術・知識をもって展開される事業だ。この業務を瑕疵なく着実に実施していくには、そこに集うさまざまな専門領域が有機的につながりつつ、各自がそのスキルを発揮していくことが必要である。しかし、公共事業をとりまく状況が厳しさを増していくなか、発注者(公共団体)がすべての段階において業務を直接遂行することは困難となっており、多くの“現場”は官・民の枠を超えたさまざまな“専門職”による協働で成り立っている状況。2月号では、“総合力”で成り立つこの下水道事業の品質を高く保ちかつ持続的な実施を担保する、さまざまな“資格”にスポットを当てた。下水道分野ではどのような資格が活躍し、発注者はそれら資格(有資格者)をどのように活用しようとしているのだろうか――。 |
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東日本大震災から間もなく10年を迎える。大津波を引き起こしたこの地震では多くの人命や財産が奪われたが、下水道施設にも大きな爪痕が残された。地震や津波によって稼働停止に追込まれたり損傷を受けたりした下水処理場は120ヵ所、同じくポンプ場は112ヵ所に及んだ。また下水道管渠については、被害が確認された11都県134市町村における総延長約6万5,000kmのうち962kmあまりが破損。これら下水道の機能停止が公衆衛生の確保やその後の復興作業に及ぼした影響は計り知れない。しかし、地震の活動期に入ったといわれる日本列島はこの間も多くの地震に見舞われてきており、首都直下地震や南海トラフ地震などさらなる大規模地震の発生も近いとされる。未曽有の大災害から下水道界は何を学び、次の災害への教訓として何を伝えられるのか――。やがて来る大地震に向けた下水道の備えそして課題を取り上げる。 |
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