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下水道の歩みは環境問題の歩みでもある。
この国の下水道は、疫病対策として明治時代に本格スタートし、高度経済成長のころには工業化・人口増加を水質改善の面から支えてきた。我々が今日、健康で快適な生活と社会の発展とを享受できているのは、下水道が環境問題に適切に対応してきたからだと言えるだろう。
だが、その環境にかかわる問題は、時代とともに変化しつつある。特に昨今は、“地球沸騰化時代”などとも言われるまでになった温暖化問題、マイクロプラスチック、“永遠の化学物質”とも呼ばれるPFAS の登場など、問題は複雑多様化の傾向を強める。
そこで新年度第一弾となる4月号では、今後下水道事業に関わってくるであろう環境問題を取り上げる。最新動向や課題を国・研究者の方々に整理していただき、今後に向けた視点や展望を探る。 |
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北から南へ細長く連なる日本列島。海上部分を含めても南北3,000qほどの距離だが、その間に張り巡らされた下水道管路は実に49 万qにも及ぶ。しかし、そのうち約3万qは標準耐用年数である50 年をすでに超え、さらに10 年後にはそうした老朽管路は全体の2割近い約9万q、20 年後には約4割へと急速に増えていく見通しだ。 こうしたなかで発生した埼玉県八潮市での道路陥没事故は、これまで関係者間を越えて広がらなかった老朽管増加への危機感を、図らずも社会全体に広めることとなった。ただ現況では、管路資器材の脆弱さに事故原因を求めようとする雰囲気もある。 そこで5月号では、確かな技術と素材で作られる日本の下水道管材の高い質、そして、それら管材を用い社会の強靭化を図っていくためのポイントを、あらためて紹介する。 |
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