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| 「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が来た」と国連のグテーレス事務総長が危機感を募らせたのは2023 年7月。それから2年を経た今夏、猛暑地域は北海道オホーツク地方にまで及び、本州各地では連日の40℃超えとなった。地球の温暖化はより厳しさを増した感がある。またその傾向は降雨状況にも影響を与え、旱ひでりが深刻化する地域がある一方で長引く豪雨で災害に見舞われる地域も。今や日本の夏は、“晴れれば酷暑・降れば豪雨”という極端な気候状況に変動しつつある。さらに温暖化は、気象状況に止まらず社会経済活動にも大きく影響を及ぼし始めた。災害対策の練り直しのほか、都市計画やインフラ維持管理の分野でも、環境変化に合わせて従来想定や取組みを見直す動きが出始めた。温暖化対策は、下水道分野ではウォーターPPP や老朽化対策が急がれるなかで優先度が下がってしまった感もあるが、手を緩めることは決してできない状況である。
そこで『月刊下水道』11 月号では、水インフラマネジメントの実践を通じて地域社会の持続を支えるべく活動してきた全国上下水道コンサルタント協会が設立40 周年を迎えたこの機をとらえ、真に持続可能な社会実現に向けた、水コン渾身の提案をお届けする。 |
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下水道は、さまざまな分野の人材や技術を駆使して、都市の健全な営みを支え続けている。求められる役割が多様化している近年では、異分野との連携はますます重要になってきている。たとえば、自治体では他部署との連携や、さらに地元住民や企業とも連携し、業務の効率化を進めている。一方、民間企業では異業種からの参入が活発化し、ロボット技術やICT、AI などの先端技術が施設の維持管理の現場で実装されている。また、建設・素材・化学分野との協業により、施設の老朽化対策や施工技術の高度化も進んでいる。そのほかにも余剰エネルギーの活用や資源回収の場面などでも、得られる相乗効果が期待されている。 そこで今号では、「異分野コラボでつなぐ・ひろげる下水道」を特集テーマに掲げ、下水道業界と他分野が手を取り合うことで生まれる新たな価値創造の現場を取りあげる。コラボによる新たな下水道の世界を探る。 |
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