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下水道事業を安定して継続していくには、さまざな「リスク」と常に向き合うこととなる。例えば地震や浸水といった災害に関するリスクは、発生そのものを止めることはできないので、被災前の準備が重要となってくる。また不明水の流入や陥没事故などのリスク対策には、どのような点検や維持管理が望まれるのだろうか。人口減少の時代を迎え、継続して事業を運営していくだけの資金面でのリスクや次世代への技術継承が途絶えるといったリスク、下水道使用料の誤徴収や徴収漏れといった事務的なミスをするリスクも考えられる。
リスク対策が不十分で下水道サービスに支障をきたせば、多くの人びとの生活に大きな影響を与えることになる。止めることができない下水道事業においてリスク対策はとりわけ重要といえるだろう。
そこで今回は下水道事業を行ううえで起こりうるさまざまなリスクへの対策を取り上げる。今後どういったリスク対策が求められていくのか、またリスク回避や軽減にはどのような方法が有効なのか、考察していく。 |
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下水道事業を取り巻く環境が「建設」から「維持管理」に移行したと言われて久しく、管路布設工事は減少傾向にある。それに伴い、管路構築にかかるトンネル技術については、若い関係職員を主にその経験値および理解度も低下傾向にあるという。しかし、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故の例を出すまでもなく既設管路の老朽化問題は全国的に待ったなしの状況であり、また激甚化・頻発化の傾向が著しい近年の降雨状況から浸水対策の強化も焦眉の急を要する課題になっている。非開削でパイプライン等を地下に構築するトンネル技術の活用が待たれる状況だ。 そこで8月号では、社会の迅速な強靱化を後押しすべく、都市部での地下インフラ構築に欠かせないトンネル技術について、その基礎や選定のポイントなど改めて学ぶ。 |
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